早川寿美子 園長便り

懐かしいおたより

2017年5月8日発行「おたより」第492号より

園長先生 
Yちゃんへ

 Yちゃんからこのメールをもらって、昔のアルバムを出してきて皆で見ました。本当に嬉しく、当時のことをいろいろ懐かしく思い出しました。ありがたいことです。Yちゃんたちの作った卒園製作は、チャペルの壁に取り付けてあったのですが、建て替えの時に外して、現在衝立として2階の子育てセンターで、今も使われています。
 次に送られてきた、彼女の息子さんの5歳の時の写真を見てびっくり。Yちゃんそっくりでした。そういえば、まったく別の卒園児の話ですが、第一子が我が園を卒園して、本村小学校に入学したときの写真をいただいて驚きました。何とお父さんの入学時の写真とそっくりだったのです。ためしに父親の写真の方を、新1年生の息子に「これ誰?」と見せたら、「オレだ!」と言ったのです。おばあちゃんが取っておいたネクタイとブレザーのせいでしょうか。本村小学校の看板の前で、何から何まで昔と同じだったからでしょうか。親子って本当によく似ていますね。
 うれしいメールでいろいろなことを楽しく思い出しました。Yちゃんありがとう。

花ことば

2017年5月8日発行「おたより」第491号より

 ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。よい天気に恵まれて花の名所に出かけた方も多かったようです。
 4~5月はあちこちから花の便りが聞かれていましたね。私がよく聴いている『ラジオ深夜便』の最後は「今日の花ことば」で閉じられます。このコーナーがいつ頃始まったのか分からないのですが、随分長く続いているようです。中学生の頃、『花ことば辞典』という本を持っていた記憶があり、友だちと、バラの花ことばは、赤は「愛」だけど、黄色は「ジェラシー」なんだ、などと言い合ったことを覚えています。ギリシャ神話などの由来や星座の物語まで広がっていく「花ことば」は、私にとってシンボリックな世界に興味を持った始まりだったのかもしれません。
 復讐などを意味するぼかしの花を贈ったりする時、現代はどのようにしているのかしらと、ふと思ったので、花に詳しい園の花担当の松本さんに聞いたら、花屋さんがお客様から花束の相談を受けた時、気を遣うのは母の日くらいらしいですよ、とのこと。一般的には、今は花ことばの意味など気にしない方が多いのでは、ということでした。花の意味や、それぞれ花の色で、まるで違う意味を持つ花ことばは、現代にはあまり馴染まないのでしょうか。花束を作る時や、同じ花でも三色スミレみたいに色が混じっている時、それぞれ意味を考えるのは難しいからなのか、などと考えながら、事務所の皆と花のことを話していました。三色スミレのことを話しているとき、「三色スミレ?」と不思議そうに聞かれたので、「パンジーのこと」と答えてからびっくりしたのです。いろいろな色の花びらが混ざっている花のことをなんて言うのかという問いかけだったのですが、そもそも「三色スミレ」という名が一般的ではなくなっていたのです。ミックスという言葉が一番多く、私としてはイメージの微妙な違いを思ったのでした。
 クレヨンの色も、桃色、肌色、だいだい、空色、水色、群青色など自然を映しているものが多いのですが、現代の会話の中では、ブルー、ピンク、ベージュが一般的で、私もそんなふうに使っていたのです。
 私の曾祖母はよく懐かしそうな眼差しをして、「朱鷺(とき)色」と言っていました。朱鷺がまだ大空を舞っていた頃の、福井の田舎の懐かしい色だったのかと思います。
 言葉の背景にある一人一人の想いの豊かさにつながるものとして、考えさせられた「花ことば」でした。

春の陽ざしの中で

2017年4月14日発行「おたより」第490号より

 毎年、小学校入学の日や卒業式の日は、我が園の先生方は朝から何となくソワソワしている。卒園児が数人、晴れ姿を見せに来てくれるからである。
 今年も中学卒業の子たちが7人そろって来てくれたことを、私はうれしくて卒園式の中で皆にお話しした。その後、高校入学の日にも、何人かが晴れ姿を見せに来てくれた。胸のコサージュがまぶしかった。男の子は心なしか凛々しくなり、女の子は幼児時代の面影が薄れて、外で会ったらわからないと思うほどきれいになり、すっかり女らしくなっている。「今春、〇〇大学に入りました」と報告してくれる子が夏まつりにはきっと数人来てくれるだろう。
 赤ちゃんの頃から共に育ったという仲間意識と、楽しい思い出がある懐かしい場所としてやって来てくれると思うと、本当にうれしいし、何となく誰が来てくれるかな、あの子はどんな進路に進もうとしているのかな、などと長くいる職員と楽しみにしている季節である。しおんという家族の中から巣立って行った子や孫が、元気な姿を見せてくれて、皆でお祝いをしているような気分である。
 7人そろって中学校の卒業式の日来てくれた子のうち2人が、同じ高校に進むことになって、「18年一緒にいるんだなぁ」と言っているのを聞いて本当にうれしく思った。彼らは赤ちゃんの頃からずっと一緒である。思春期の多感な時期を、仲間として友人として、いや兄弟に近い感情を持って成長していくのだろうと思うと、本当にありがたいことだと思う。
 神戸にパルモア病院という産科の病院があって、そこで誕生した子は「揺籃会(ようらんかい)」という会に入り連絡を取り合い、15歳(昔の元服)の時、病院に集まって、院長が産まれた時のことを一人一人に伝え、成人のお祝いをするという話を伺ったことがある。同じゆりかごで育まれ、今それぞれの道に進もうとしている時、それを祝福して成人式を行っている院長先生の考え方に共感し、感動したものである。
 今年も来てくれた子どもたちの姿をまぶしく思いながら、これからも共に育ち合っていくよい仲間として皆が自分らしく幸せに、希望にあふれて生きていってほしいと願っていた。
 春はやはり、いくつになっても心おどるよい時である。

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